個人事業と株式会社との比較
個人事業から株式会社へ「法人成り」をすると、具体的にどのような変化があるのでしょうか。
以下、個人事業と会社のメリットとデメリットを見比べてみてください。
※赤文字がメリットで、青文字がデメリットです。
株式会社 | 個人事業 | |
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対外的な イメージ |
社会的信用が厚い 会社には登記簿謄本があり、それを見て取引先は会社の概要を調べることができるため、取引の際の安心材料とする。 |
社長の手腕による 個人事業には登記簿謄本がないため、取引先は社長個人のスキルや実績をもとに取引するかどうかを判断する。 |
資本調達 | 調達しやすいといわれる 一般的に、会社形態をとったほうが金融機関からの融資を受けやすいといわれるが、事業内容や資金繰りの状況によっても異なるので、一概に資金が調達しやすいということはできない。 |
調達しにくいといわれる 一般的に、会社形態と比べた場合金融機関の融資を受けるのが難しいと言われるが、あくまでそれぞれの個人事業の状態によって異なるため、ケースバイケースだといえる。 |
責任 | 有限責任 会社に出資した金額以上に責任を負うことはない。ただし、会社の連帯保証人となっている場合は別。 |
無限責任 借金をしたらそのまま個人の損失となるため、債務を背負わなければならない。 |
社会保険 | 社長も社会保険に加入できる 会社は社会保険への加入義務があるので、社長も従業員の方と同様に社会保険に加入することができる。 |
社長は社会保険に加入できない 社長は、国民年金、国民健康保険の保険料を個人で支払うことになる。 |
事業継承 | 役員の変更のみと簡単 事業の承継がしやすい。登記変更をするのみであり、相続税もかからない。 |
相続が必要で、手間がかかる 事業継承にあたって手間とお金がかかる。相続が必要となるので、相続税がかかる。 |
赤字の場合 | 最低7万円の税金を支払う義務あり 法人の住民税の均等割部分については赤字でも支払わないといけない。 |
税金の支払い義務なし 赤字の場合は、税金の支払い義務がないので余計な出費がかからない。 |
赤字を最高7年まで繰越可能 青色申告の場合は、赤字を繰越欠損金として、7年間に渡って所得から差し引くことができる。 |
赤字を最高3年まで繰越可能 青色申告の場合は、赤字を繰越欠損金として、3年間に渡って所得から差し引くことができる。 |
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税金全般 | 所得が高くなれば税金面で得 所得が上がっても、一定の税率が適用される。 |
所得が高くなれば税金面で損 所得が上がれば上がるほど税率が高くなる。 |
事業税 | 事業税について控除なし 事業税の控除がなく、税率も原則9%と個人に比べると高いが、所得に応じて税率の軽減措置がある。 |
事業税について控除あり 年間290万円の控除を受けることができる。また、税率も原則5%と法人に比べると低い。 |
決算 | 決算期が自由に選択できる 業務の繁忙期を決算期とずらすなど工夫をすることができる。 |
決算期は12月末と一律 決算期を自由に決めることはできない。 |
決算の公告義務あり 毎年会社の決算を、官報、日刊新聞、電子公告のいずれか定款で定めた手段で公告する。 |
決算の公告義務なし 確定申告を行い、税金を納付するだけでよいため、一切公告をする必要はない。 |
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交際費 | 交際費に制限あり ①資本金が1億円を超える会社交際費はすべて経費とすることはできない。 ②資本金が1億円以下の会社1年間の交際費のうち400万円を超えた場合は超えた額の全額、400万円を超えない場合は交際費の10%を経費とすることができない。 |
交際費に制限なし 個人事業を行う上で必要とされるものはすべて必要経費とすることができる。 |
社長の給与 | 社長の役員給与について、給与所得控除を受けられる 給与の額に応じて、所得税・住民税の控除を受けることができる。また、社長への役員給与は、全額会社の経費とすることができる。 |
社長は、給与所得控除を受けられない ただし、事業所得について65万円(一定の場合は10万円)の所得税・住民税の控除を受けることができる。また、社長の給与は経費とすることができない。 |
事業を始めるのにかかる費用 | 費用がかさむ 定款認証の手数料や、設立登記のための登録免許税など、設立にあたっての費用がかかる。ただし、これらの費用は創立費として、会社の経費にしたり、繰延資産とすることができる。 |
費用がかからない 個人事業を始める際には、登記は必要なく、特段費用はかからない。 |
変更手続き | 登記が必要な事項もある 増資や役員の変更、本店変更など、登記が必要な事項があり、その場合には登録免許税がかかる。また登記申請に必要な書類を作成したり、司法書士に依頼する必要がある。 |
登記が不要 個人事業に何か変更事項が生じたとしても登記を行う必要はないため、費用も手間もかからない。 |