営業所の要件を4つの例題でくわしく解説!
ここでは、建設業許可要件の営業所の要件について見ていきたいと思います。
当事務所で実際によくお伺いするパターンを会話形式でご紹介しますので、ご自身に当てはまる内容をご確認頂ければと思います。
営業所の要件として、
- 建設業を行う事務所として使用する権限があること
- 事務所としての機能(デスク、PC、電話、コピー機等)が備わっていること
以上が必要です。
そこで、お伺いしますが、営業所とされる建物は、自己所有ですか?それとも賃貸ですか?
自宅の一室を営業所として使用しています。
自宅は、私の所有になっています。
法人としてテナントを借りて使用しています。
ただし、約5年前に契約してから更新の手続きをしていません。
アパートの一室を自宅として借りて使用しています。
3年前にテナントをわたし個人で借りて事務所として使用してきました。
今回、法人化しましたが、大家には話しておりません。
以上のように、各ご相談者の方々は、営業所の使用権限の状況が全く異なります。
それでは、ご相談者別にどのような書類が必要となるか見ていきましょう。
営業所としての要件の証明方法
個人事業主 A様
この方の場合は、個人で自宅開業されています。
また、建物所有者はご本人ということですので、使用権限は問題なくあります。
今回は、以下の書類で証明することとなります。
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※建物の登記事項証明書の所有者が共有(他の親族も名義になっている等)になっている場合は、別途、共有者からの使用承諾書も必要になります。
※営業所の写真は撮影後3か月以内を目処にお撮り下さい。
法人役員 B様
この方の場合は、法人としてテナント(商用スペース)を借りて営業所とされています。
ただし、5年前から契約更新がされておりません。
賃貸借契約書の契約期間の欄に「自動的に更新する」旨の言葉がない場合は、契約継続しているか書面上では確認できません。
そのため、以下の書類で証明することとなります。
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※自動更新となっていない場合は、「契約期間満了後は、両者協議の上、更新することができる」と書かれているケースが多いです。
個人事業主 C様
この方の場合は、賃借している自宅アパートを営業所として使用されています。
通常、住宅、居宅として賃借されている場合は、賃貸借契約書の使用目的の欄に「住居」と記載されています。
また、住居以外の使用目的では使用できない旨も記載されているケースが多くあります。
その場合は、当然に建設業の営業所としては使用できない事になりますので、大家さんに別途、使用承諾書をもらう必要があります。
以下の書類で証明することとなります。
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※公営住宅やUR賃貸などは、使用承諾書をもらうことが出来ないケースが多いです。
法人役員 D様
この方の場合は、3年前から個人事業としてテナントを借りておられます。
ただし、今回は法人として建設業許可を取得しますので、法人がテナントを使用する権限があることを証明しなければなりません。
また、このケースは個人から法人へ転貸(別の第三者へ賃貸する)することとなりますので、民法上、所有者の承諾がない限り勝手に貸し渡すことはできません。
この場合は、法人として契約し直すか、覚書で賃借人を法人に読み替えることとさせてもらうかになります。
以下の書類で証明することとなります。
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※契約し直す場合は、手数料として高額な金額を請求されることもありますので、覚書で読み替えることをお勧めいたします。
まとめ
以上の4名のご相談者につきまして、要件と必要書類を見てきました。
弊所の経験上、このパターンの組み合わせでのご相談が最も多いため、要件確認して頂く際の参考になりやすいのではないかと思います。
また、申請場所によっては、都市計画法上の法令に違反する場合は、営業所として認めない県民局も存在します。
そもそも、都市計画法では、市街化調整区域であったり、市街化区域でも第一種低層住居専用地域などの住宅街では、事務所の設置が認められていません。
このようなケースもございますので、県内で申請する場合は、十分に注意が必要です。
※要件や書類について分からない場合は、初回無料でご相談頂けます。
お気軽にご活用ください!